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2012年11月28日 第4回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会

雇用均等・児童家庭局母子保健課

○日時

平成24年11月28日(水)
10:00~12:30


○場所

中央合同庁舎5号館 
厚生労働省 専用第21会議室(17階)


○出席者

委員

五十嵐委員 安達委員 井田委員
及川委員 大澤委員 小幡委員
小林委員 坂上委員 佐地委員
益子委員

参考人

川崎参考人 (日本IDDMネットワーク プロデューサー)
竹内参考人 (胆道閉鎖症の子どもを守る会 代表)
原参考人 (あすなろ会(若年性関節リウマチ親の会) 理事)
宮脇参考人 (あすなろ会(若年性関節リウマチ親の会) 理事)

事務局

鈴木審議官 桑島母子保健課長 高橋母子保健推進官
山本課長補佐 内山課長補佐 玉田課長補佐
山本疾病対策課長

○議題

(1) 関係者からのヒアリング
(2) 小児慢性特定疾患に関する医療体制等

○配布資料

資料1小児慢性特定疾患児への支援の在り方について
資料2-1川崎参考人(日本IDDMネットワーク)提出資料
資料2-2竹内参考人(胆道閉鎖症の子どもを守る会)提出資料
資料2-3原参考人、宮脇参考人(あすなろ会)提出資料
資料3小児慢性特定疾患に関する医療体制等について
資料4第26回難病対策委員会(平成24年11月15日開催)について

○議事

○玉田課長補佐 定刻になりましたので、ただいまから、第4回「小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」を開催いたします。
 本日は、石川委員、水田委員、松原委員、眞鍋委員から、所用により欠席との御連絡をいただいております。また、本日は、前回と同様、患者団体から直接御意見を聞かせていただく場を設けさせていただいておりますので、本日御出席の方の紹介をさせていただきます。
 まず、日本IDDMネットワークの川?様でございます。
 胆道閉鎖症の子どもを守る会の竹内様でございます。
 あすなろ会の原様でございます。
 同じく、あすなろ会の宮脇様でございます。
 なお、事務局でございますが、本日は、局長の石井にかわりまして、大臣官房審議官の鈴木が出席しております。
 それから、議事進行についてでございますが、これまでと同様、視覚・聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、御発言等される場合には、発言者が必ず挙手をする。挙手をした発言者に対し、委員長から指名いただく。指名を受けた発言者は、氏名を名乗ってから発言するという形で進めていただきますようお願いいたします。
 それでは、早速議事に移りたいと思います。委員長、どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。皆さん、おはようございます。
 これから議事に入ります。初めに、お手元にお配りしております資料について、事務局から確認していただきたいと思います。お願いいたします。
○玉田課長補佐 お手元の資料でございます。
 座席表
 委員名簿
 参考人名簿
 議事次第
 資料1 小児慢性特定疾患児への支援の在り方について
 資料2 川?参考人(日本IDDMネットワーク)提出資料
 資料2-2 竹内参考人(胆道閉鎖症の子どもを守る会)提出資料
 資料2-3 原参考人、宮脇参考人(あすなろ会)提出資料
 資料3 小児慢性特定疾患に関する医療体制等について
 資料4 第26回難病対策委員会(平成24年11月15日開催)について
 資料は以上でございますが、不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
○五十嵐委員長 皆さん、大丈夫でしょうか。
 今日の会の進行につきまして御説明させていただきます。初めに、事務局から資料1の、これは何回も出ている資料ですけれども、御説明いただきたいと思います。その後に、今日おいでくださっています患者さんの団体の方からそれぞれ御意見を10分ずつ頂戴する予定です。それが終わりましたら、今日の論点である医療体制等についての議論を皆さんでしていただきたいと考えています。
 では、資料1について、事務局から御説明をお願いいたします。
○玉田課長補佐 資料1の2ページ、3ページをお開きいただけますでしょうか。
 資料1の2ページでございますけれども、前回まで、1、2、3、4と総合的な支援策の推進等まで掲載させていただいておりましたけれども、本日御議論いただきます医療体制等につきまして、1から3含めて全体関係ございますので、特出しをさせていただいております。5番の「小児慢性疾患に関する医療体制等」ということで、情報発信や関係機関との連携促進などが必要ではないかというような問題意識、課題を抱えていると考えておりまして、具体的な論点を、5つほど挙げさせていただいております。
 1つ目が指定医療機関の関係でございますけれども、身近な医療機関で質の高い医療を提供している指定医療機関の在り方をどう考えるかということ。2つ目、3つ目については医療体制そのものでございますけれども、1つは、地域の医療機関への情報発信や研修を行った上で、医療の質の向上を図るということが必要ではないだろうか。さらには、成人移行を見据え、難病や成人の医療機関や関係機関を含めた都道府県単位の医療体制、連携体制が必要ではないかという問題意識でございます。
 それから、認定と申請の関係の手続についてが4つ目、5つ目でございまして、認定については、医療費助成の対象者を公平に審査する仕組みについてどのように考えるか、それから最後、手続については、申請者の負担を軽減する観点から、より身近な機関でできるようにすべきではないかという論点を提示させていただいております。
 資料の3枚目については、前回と同様でございまして、左の真ん中の医療体制等についてが本日御議論いただく部分ということでございます。
 以上でございます。
○五十嵐委員長 ありがとうございました。御質問等ございますか。
 それでは、今日お集まりいただいております3つの患者さんの団体から御意見をいただきたいと思います。御意見につきましては、時間の制約から、1団体当たり10分程度と大変短くて申しわけないのですけれども、御協力をお願いしたいと思います。
 では初めに、日本IDDMネットワークの川?様、よろしくお願いいたします。
○川?参考人 おはようございます。1型糖尿病患者、その家族を支援する認定特定非営利活動法人、日本IDDMネットワークと申します。本日、理事長の井上が本業の関係で出席できないということで、私、代理で意見を述べさせていただきます。
 私事ですが、昨年の10月に、2歳の息子が突然、1型糖尿病を発症し、生涯にわたってインスリンを補充しなければ数日で死に至るという疾病でございます。
 まず、1型糖尿病について御説明させていただきます。1型糖尿病は、いわゆる生活習慣病、2型糖尿病とは異なり、原因は現在不明ですが、短期間に膵臓から生命維持に必須なインスリンというホルモンが全く分泌されなくなる疾患でございます。全糖尿病患者の数%、おおむね10万人以下と推定されておりますが、正確な患者数は、現在も得られておりません。
 現在の治療法ですが、絶対的に不足しているインスリンの補充療法のみで、患者は毎回の食事に応じましてインスリンをその都度注入しております。注射、またはインスリンポンプを使って注入しておるのですが、私の息子も、1日約7回、血糖測定を行っております。
 今のところ、インスリンの補充を生涯継続するしか生きていく方法がなく、その副作用としまして、急性の低血糖、または慢性的な高血糖による合併症、網膜症、腎症、神経障害、こういった不安を日々抱えながら生活しています。
 糖尿病は、成人になっての失明原因の第2位、また透析導入原因の第1位ということになっております。
 次に治療費とその負担感ですが、インスリン補充療法による標準的な医療費は、患者の支払い額で毎月1万5,000円から2万円程度でございます。一生続く治療でありますので、小児期発症の患者の生涯医療費は約1,000万円以上になります。小児慢性特定疾患の対象である20歳未満の患者では、通院時の医療費、これが月額上限は5,750円ですが、20歳を超えた時点で医療費はその3倍から4倍、さらにアップするというようなお話も聞いております。特に若い患者にとっては経済的に大きな負担になっているというのが現状でございます。
 ことし4月から、診療報酬改定で、インスリンポンプによるインスリン補充療法はその医療費が大幅に増加いたしまして、通常のインスリン注射の患者から比べますと自己負担の年額で約10万円の増額という形になっております。成人患者では、現在まで療養効果の高いインスリンポンプ療法を断念して、元の注射療法に変えざるを得ないという患者もふえております。
 次に、私ども、認定NPO法人日本IDDMネットワークについてですが、平成7年1月の阪神・淡路大震災によりまして、多くの患者がインスリンの入手に大変な苦労を強いられました。この震災を契機に、全国の患者、家族の連携を図るために、同年9月に発足いたしました。現在は、全国の1型糖尿病患者・家族の支援団体として、27の地域患者会及び全国各地の個人会員で構成されております。患者会の総数含めまして、全体で約2,500名の方に会員となっていただいております。
 主な活動といたしましては、政策提言、調査研究。特にこの調査研究に関しまして、「1型糖尿病お役立ちマニュアル」を現在4冊発行しております。また、社会啓発のための全国シンポジウムの開催、療養相談等にも取り組んでおります。さらに、先進的な医学・医療の研究を促進し、安全で確実な根治療法の実現を目指して、研究支援活動として、2005年8月に「1型糖尿病研究基金」を設立いたしました。現在まで、7件の研究助成をさせていただいております。基本的には、全て、患者会、それから私どもNPO法人の働きかけによって、独自の研究費助成をさせていただいております。その中には、今回のノーベル賞のiPS細胞による再生医療に関連するテーマもございます。助成金額は、本当に少額ですが、1研究当たり100万円を期待を込めた形で、研究者の方々に助成させていただいております。
 次に、1型糖尿病患者の小児患者、それから家族の抱える問題点ですが、まず、20歳以降の経済的支援の実現についてですが、この病気は、現在まだ不治の病で、インスリン補充は一生継続するにもかかわらず、公的支援が20歳に到達した時点で終了することが大きな問題として挙げられております。
 現在、本疾患が対象となる20歳までの公的支援は次の2つです。まず、小児慢性特定疾患治療研究事業、その次に特別児童扶養手当、身体または精神に障害のある20歳未満の児童を療育する保護者に対する手当の支給です。
 1型糖尿病の場合、インスリン補充などに介助が必要な場合は、特別児童扶養手当の2級に認定されております。このうち特に小児慢性特定疾患治療研究事業は、平成17年に、それまでの補助金事業から法制化されましたが、そのときの参議院厚生労働委員会では、20歳以降の患者への支援の必要性を取り上げていただきました。委員会では、当時の厚生労働大臣の答弁としまして、「宿題をいただきましたことはしっかりと確認させていただきます」とし、さらに、児童福祉法の一部を改正する法律案に対する附帯決議が可決されました。この附帯決議に基づき、その翌年より実施された平成17年、18年度の2回の厚生労働科研費による調査研究では以下のように結論づけられております。
 1型糖尿病では、医療費の自己負担が高額であり、低収入層が多かった。旧小慢疾患患者に対して、患者の状況や慢性疾患の特性、それに地域性を考慮した医療や社会福祉的支援制度の拡充が必要である。
 このように結論づけられたにもかかわらず、その後も医療福祉制度としての対応は現在まで全くされておりません。最近ようやく疾病対策課のほうで難病対策の検討が動き出し、その中で、今後、1型糖尿病も検討対象とされることを期待しておりますが、現在まだ不透明であります。20歳以降の、特に職につけない若い患者、高齢患者など収入の少ない患者や家族にとっては、医療費の負担が生活の大きな不安要素となっております。
 医療費が十分払えず、医療機関への通院頻度やインスリン補充量の不適切な低減が行われまして、結果的に慢性高血糖による合併症に至るということになっております。この状況は患者のQOLをさらに落とすことになりまして、結果的には国民の医療費の増大の遠因になっております。
 次に解決策の提案ですが、現在進められている難病への認定は重要な検討案件ですが、私たちは既に厚生労働大臣宛てに、現実的な方策案として、既存の医療・福祉制度を適用するという枠の中で、1型糖尿病を膵臓機能障害と認定し、身体障害者福祉法における身体障害に位置づけることを2年前の平成22年11月24日付で厚生労働大臣宛てに要望書を提出しております。肝機能障害が平成22年4月より身体障害者福祉法における身体障害に位置づけられており、1型糖尿病も同様に臓器の重要な機能障害であります。この障害認定は年齢によらない患者への支援策として最も現実的な方策と承知しております。
 次に、特別児童扶養手当の周知不足による問題です。この制度は法律に根拠を持った制度ですが、2年前までは1型糖尿病を持つ患児の場合はその支給認定について大きな地域間の格差がありました。主に関西圏や東海圏は比較的認定率が高く、それ以外の地域は低めで、中には認定率がほとんどゼロに近い県もありました。現実的に私も実体験をしておりますので、後ほど述べたいと思っております。
 そのような状況から、日本IDDMネットワークは、平成22年度、この問題の解決に取り組んできました。基本的な論点として厚労省障害保健福祉部企画課と議論してきたことは、障害の認定は、認定基準に定められている「一般状態区分」に従って行われているということになっておりますが、インスリン補充をしている1型糖尿病患者にはその区分表現がそのままでは当てはまらない、低血糖などへの対処については診断書に書き込めないので考慮されていない、さらに、低年齢患者は自分で療養行為が不可能なことなど考慮されていないということです。
 このことが各都道府県で認定判断に大きなばらつきが生じている理由になっているとの裏づけと、各地域間の格差の実態をまず調査するようにも求めました。そして、その調査結果などを根拠に、平成22年12月より、認定要領や診断書への記入内容などが全面的に改訂されました。そのポイントは以下となっております。
患児自身による血糖コントロールされている場合には認定対象とはしませんが、インスリン注射や血糖自己測定や、特にインスリン量の決定など、患児が自分で適切にできない場合には認定の対象とするとしています。このことが診断書様式に反映され、インスリン注射の施行、血糖値測定、インスリン量の管理等の3点が、患児が自分で確実に適切にできるか主治医によって書かれます。また、認定要領から、これまでは一般状態区分に基づいて判断すべきとされていた部分が削除されました。
この改訂に関しましては画期的なことでしたが、その後も、この改訂の趣旨が地方の行政に十分に理解されず、明らかに手当の対象に認定されるべきケースにおいても非該当との判断が散見されております。例えばことし8月には、石川県でこの改訂の趣旨が反映されず非該当となり、その後、私たちからの指摘により、判定結果を取り消して認定されたという事例もあります。このようなことが起こらないように、現行の社会福祉制度の周知を行政の責任で確実に推進していただきたいと思っております。
小慢制度は比較的周知が進んでおりますが、特別児童扶養手当は保健所職員ですらその存在を知らないこともあります。同一の疾患で異なる制度の対象になる可能性のある場合には、それらをまとめて、保健所や役所、医療機関または市町村役場の窓口担当者から保護者に周知するなどの対応策を御検討いただきたいと思っております。
昨年、私も、この小児慢性特定疾患並びに特別児童扶養手当を申請したのですが、私の住んでおります地域で古い書式を渡され、病院からの指摘で、再度書類を取り寄せた事実があります。当法人が把握するところでは、各地でこういった問題が生じているという現状がありますので、この対応はぜひお願いしたいと思っております。
その他、学校や社会生活にかかわる問題としまして、1型糖尿病は、その病名から、いわゆる生活習慣病の2型糖尿病との混同が非常に多くて、その誤解から、多くの子どもたちが現在苦しんでおります。また、学校内でのインスリン補充、血糖測定における安全確保と、この疾患の学校による理解だとか差別的な扱いも含めて、学校の教職員の方々にこの疾患に対する理解を求めたいと思っております。
また、文部科学省との連携により、養護教諭だとか一般教諭の方含めて、希少難病、慢性疾患の理解に向けた研修等をぜひ実施していただきたいと思っております。来年から幼稚園に息子が入園するのですが、この5月から既に3回、説明会、ミーティング等行っております。ことし12月も、教育委員会の方も参加していただき、1型糖尿病患者を受け入れるのは初めだということですので、細かな打ち合わせ等も含めて、お願いさせていただいております。
最後に就労に関する問題ですが、まだまだ一般企業では難病者や慢性疾患を持つ人の採用には極めて消極的であります。潜在的ないわゆる就職差別が存在しておりまして、特に高校からの就労の場合、事実上学校推薦が唯一の手段であります。就職担当教諭の疾患についての理解度がその生徒の就労獲得に大きな影響を持つということになっております。この意味でも、教員による病気の理解促進を積極的に推進していただきたいと思っております。
私のほうは以上です。ありがとうございました。
○五十嵐委員長 ありがとうございました。
10分のところ20分お話しになったので、次のお二方は10分以内でお願いしたいと思いますが、御意見、御質問をお願いいたします。
○井田委員 慈恵医大の小児科の井田と申します。
このIDDMの会の、今、川?様が発表になったのは大きな問題を含んでいると思うのですね。小児慢性特定医療疾患と対象疾患、非常に内容も異種性に富んでいますし、特に、この前、先天代謝異常症の患者さんがお話しされましたけれども、20歳過ぎても医療が絶対に必要な疾患というのはあるのですね。その中の、IDDMも一つだと。
この医療の継続性が必要なのをどうやって担保するかというのは非常に大きな問題ですので、例えば医療費助成を幾つか書いてあります小児慢性特定医療疾患のシステムを変えてやるのか、あるいは難病に移行するのか、あるいは違うシステムで小児慢特の中の幾つかの疾患をどのように医療助成を構築していくかというのは非常に大きなキーポイントですので、これは厚労省の方に十分考えていただければなと、そこが大きなポイントだと思います。非常に広範ですので、いろんな疾患がありますので、どのように対応していくかというのはそれぞれ違いますので御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。前回も御指摘されたようなことと共通することを今お話しいただきましたけれども、ほかにいかがですか。
○小林委員 難病ネットの小林です。どうもありがとうございました。
この3ページの下のほうに、学校内でのインスリンの補充とか血糖測定における学校での差別的な扱いということなのですけれども、随分以前からこういうことは指摘されて、インスリンの注射を保健室でやることも拒否されるということなのですが、最近は以前より大分減ったということはちょっと聞いたことあるのですが、その辺いかがでしょうか。今でも相変わらずなのでしょうかね。
○川?参考人 当時の呼びかけもありまして、大分その辺は変わってきたというのは認識しております。
○小林委員 では、継続してPRをしていけばいいということなのですね。
○川?参考人 はい。
○小林委員 ありがとうございます。
○五十嵐委員長 大変大事なことで、子どもたちが差別を受けないようにしたい、そういう体制をぜひつくってもらいたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。
では次に、胆道閉鎖症の子どもを守る会の竹内様にお願いいたします。
○竹内参考人 御紹介いただきました、胆道閉鎖症の子どもを守る会の代表をしております竹内でございます。よろしくお願いいたします。
 日ごろは、難病の子どもたちにいろいろお力添え、それから、いろいろな施策をしていただいて、ありがとうございます。それからまた、きょうはこういう機会をいただきまして感謝申し上げます。それでは、座って発言させていただきたいと思います。
 この胆道閉鎖症の疾患の概要ですが、御案内の先生方も多いと思うのですけれども、1万人に1人という割合で発症する病気です。ごく簡単に申し上げますと、胆道が閉塞しているということです。胆道が閉塞していますから、胆汁が流れない。結果、肝硬変を起こして、ほうっておきますと2~3歳で命を閉じるという病気です。しかし、1959年、東北大学の葛西先生が葛西術という手術を開発されまして、これは肝臓と小腸を直結するという手術でございまして、これでどうやら胆汁が流れ出るようになりまして、その後ずうっと諸先生方の努力で、この葛西術の術式がどんどんよくなってまいりまして、今、9割方救命はされるようになりました。
 しかし、完全に胆汁が流れるわけではないので、その後も同じように肝硬変を起こして、食道静脈瘤とか、あるいは腸管出血とかいろいろな合併症を起こして苦しんでいるというのが現状です。結果的に肝硬変が進んで、今、大体半分ぐらいの子どもたちが移植に移行するという状況です。幸いに、これも日本で生体肝移植が行われますので、親御さんとかきょうだいから肝移植をされて元気になることがどんどん多くなってきています。しかし一方で、自己肝で頑張らざるを得ないという子どももいるわけです。この人たちが大変でして、ずうっといろいろな合併症を抱えながら人生を送っているという状況です。
 これは早期発見、早期手術が大切ということで、今年度から母子手帳に、この病気、白い便が出るものですから、便色カードというのを入れてもらうことになりました。これによって早く発見して早く手術することによって予後がよくなるということです。
概要はこんな病気なのですけれども、要望事項で、私たちの会もいろいろな、ほかの難病の子どもたちと同じように、学校問題とか抱えているわけですが、その前にぜひお願いしたいのは、この小慢制度を安定的な制度にしていただきたいということです。実はこの法制化のときに、私たち小慢の患者団体は母子保健課さんといろいろと話をしました。何とか安定化しようということで、法制化するのだということであったわけです。
そのときにあったのが、法制化するに当たっては、どうしても自己負担をしないと財務省がOK言わないよということで、我々としても、やむを得ず、それでは一部負担で結構です、そのかわり子どもたちが安心して治療できるような制度にしてくださいということで法制化したはずなのです。
 ところが、最近話を聞いてみましたら、これも予算の削減の対象になると。えっとびっくりしたのです。裁量的な予算なのですよと言われて、そうではないのではないですかと言ったのですが、いや、実はそうなのだと言われまして、それではおかしいではないかと思いまして、何とかもう一度、この安定化するために、義務的経費というのですか、これは避けられない経費であると位置づけするような方向で法制化なり何らかの手を打っていただきたいというのがまず最初にお願いしたいことです。
 その上に立って、我々の胆道閉鎖症の子どもの会が抱える問題ですけれども、これも御多分に漏れず、トランジションの問題です。我々、今までキャリーオーバーと言ってきたのですけれども、この問題です。今、私たちの会は1,000人ぐらい会員がいるのですけれども、約3分の1、300人の会員がもう成人しております。この人たちは、20歳までは小慢の適用を受けるわけですが、その後は何も支援がなくなるという状況になっているわけです。その人たちの生活状況などについては後ろのほうに、これはちょっと古いデータですけれども、4年前に私たちが実態調査した結果を載せてあります。就労の問題とか収入の問題、それから医療費の問題、後でごらんいただければわかると思うのですが、医療費に苦しむ人たちが多いということです。
 この肝移植をした人については、肝臓疾患が内部障害として認められるようになって、移植については1級ということで支援を受けられるようになったのですけれども、ほかの人たちについては、この肝疾患のチャイルドパスというのですか、基準が非常に厳しいのですね。チャイルドパスで10点以上でないとなかなか認定されないということ。10点以上というのはほとんど動けない人たちなのですね。そうでないと、肝障害の内部障害の対象にならないような状況なので、非常に認定を受けるのが難しいという状況があります。自己肝で頑張っている人たちが非常に苦しんでいるという状況が生まれているので、これは何とか解決しなくてはいけないと思っております。
この小慢と、それから、今、難病対策の見直しが行われている。この制度は違うということは私たちも認識しております。小慢のほうは健全育成という目的でやっているということですけれども、先ほど井田先生も御発言いただきましたけれども、この制度と制度をブリッジするような何かいい方法はないのか、そういう制度設計をぜひお願いしたいというのがトランジションの問題です。
 それから、小慢研究事業になっているのですけれども、研究事業のほうは果たして行われているのか、こんなこと言うと失礼ですが、ちょっと疑問に思います。ですから、小慢も、難病対策研究事業があるのですけれども、それと並行してというか、これもブリッジしながら研究事業も進めていただきたいなと思います。
特に胆道閉鎖症については、治療については、日本胆道閉鎖症研究会という先生方の集まりがありまして、先ほども申し上げたけれども、治療方法は非常に発達してきているのですけれども、いまだに原因がわからないということなので、この原因究明というのは大変いろいろな面で力が必要だと思いますので、原因究明班みたいのをつくって研究できるような支援をいただければと思っております。
 それから、これも難病対策と同じようなことですけれども、治療の集中化というのが必要なのかなと思います。今、胆道閉鎖症研究会、42施設で治療を行っております。ここには、先生方、いろいろ研究資料を持ち合っていますので、比較的治療成績が安定しているという部分があるのですけれども、ほかの施設でも実はこれは手術ができるのですね。したがって、年に1回、2年に1回とかそのような症例も出てくる。となると、なかなか成績が上がらないということがありますので、ぜひこれは周知してできるように。そして、ネットワークで情報が全部出られるように。そして、今、母子手帳に早期発見のカードを入れたのですが、そこからルートをたどっていって、一つのネットワークでできるような治療体制をつくっていただければと思っております。
 最後に普及啓発なのですが、この便色カードも、我々が一生懸命運動しまして厚労省のほうで取り上げてくれたという経緯があるのですけれども、こういう啓発を我々自身の親の会でもやっているわけですね。逆に、保健所のほうから、胆道閉鎖症ってどういう病気ですかと聞かれたような経験もあります。我々もパンフレットを送ったりするのですけれども、予算もないですから、継続的にそういう普及活動できる状態にはないわけですね。ただ、そういうきめ細かな啓発というのは我々患者団体のほうがよほどうまくできるのです。通り一遍の通達ではなくてできるので、こういう力を利用して、支援していただければもっとこういう難病の普及啓発に役立つのではないかと思います。連携して進めるような方策はないかと思っております。
 以上の問題、ほかにもたくさんあるのですけれども、この問題をきょうはお話し申し上げました。ありがとうございました。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見、御質問、いかがでしょうか。
○坂上委員 読売新聞の坂上といいます。お疲れさまでした。
 私は肝臓移植について関心を持って取材していますが、レベルがそれほどでない病院とレベルの高い病院があることを知りました。例えば劇症肝炎は、国立成育医療研究センターが熱心に治療しています。手術など治療実績が物を言う分野ではやはり、実施施設を集約化して、その情報が患者団体に伝わる仕組みが必要だと思います。一方、毎日服用する薬による治療などはできるだけ自宅近くで受けられるようにしてほしいです。手術を行う施設と手術後のケアを行う施設が連携するようなネットワークが作られるべきだと思います。このような医療機関の連携は行われているのでしょうか。
○竹内参考人 先ほど申し上げました日本胆道閉鎖症研究会という先生方の集まりがありまして、その中で東北大学が、この病気に関して言いますと事務局になって登録制度をやっているのです。ただ、42施設ですから、ほかに漏れているところがあるかもしれない。ということになると、制度としてそういうのをきちんとやっていただければ、各病院もそれに参加してくるという形になると思うのですね。今、熱心な病院といいますか、東北大とか、先生のところの成育とかそういった病院が中心になっているのですけれども、「そこで手術したの?」みたいな病院も実はあるわけで、こういうところもネットワークに組み込んで情報が上がるように、あるいは情報が回るようにしたほうがいいのではないかと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。
続きまして、あすなろ会の原様と宮脇様、お二人だと思いますが、よろしくお願いいたします。
○宮脇参考人 若年性関節リウマチ親の会、あすなろ会の宮脇と申します。よろしくお願いいたします。
若年性関節リウマチ、JRA、最近では若年性特発性関節炎、JIAと言われておりますが、これは16歳以下で発症する原因不明の慢性炎症性疾患で、日本では小児人口10万人に10~15人いると言われております。成人の慢性関節リウマチ、RAとは異なり、関節症状以外に発疹、心膜炎、肝脾腫、リンパ節腫脹、ブドウ膜炎などを伴い、また、一言でJIAと呼んでもそれぞれ異なる病態であり、治療法も違い、予後も異なることから、大きく全身型、多関節型、少関節型の3つの型に分類され、そのほかにも乾癬性関節炎、腱付着部関節炎、分類不能関節炎等も含め、JIAと取り扱われるようになってきました。
 最近は、専門医や医薬品開発に当たる研究者たちの努力により明るい予後も期待できるようになってまいりましたが、専門医の数はまだまだ少なく、全国どこでも最新医療を確実に受けられるまでには残念ながら到達しておりません。また、成人に対してもこの病気と引き続きつき合っていかなければならない、いわゆるキャリーオーバー患者たちはたくさんおり、当面する問題は多岐にわたると考えます。
 疾病の研究事業の継続についてです。成人のRA同様、治療薬の開発により予後も期待できるようになってはきましたが、原因はまだ不明で、対症療法に過ぎず、症状のあらわれ方、治療薬の選択には個体差があること、また、生物学的製剤の登場により、画期的によい状態でコントロールされている方も多くなったことは確かですが、休薬をいつまで保持できるのか、また断薬して完治するのか、そして、新薬の将来的副作用など、この疾患に関する専門的研究は引き続き必要と考えます。
 また、これまでに関わった医師、研究者たちにより、治療指針がある程度構築され、その見直しもその都度進められてきていますが、専門医の数は少なく、全国どこでも同レベルに診断、治療を受けられるまでには至らず、本当にこの病気であるか否かも含め、治療法選択の見極めは数少ない専門医に、残念ながら委ねられていると考えます。
 しかし、実際には経済的問題やさまざまな理由から、限られた専門医のもとへ地方から出向く決断ができずにいる方も全国には少なくないです。したがって、専門医の育成、また、専門的治療のできる医療機関の全国各地への増設が求められます。
 高額な医療費対策についてです。生物学的製剤の登場により、ここ数年間に子どもたちのQOLはよくなり、将来的展望も持てるようになりました。しかし、それは薬によって維持されているものであったり、20歳を過ぎても治療を続けていかなければならない方は多いのが実情です。
 治療法がよくなったとはいえ、健常者同様の体力や経済力も獲得できるとは限らず、疲れやすかったり、無理をすれば学業や就労にも障害を来しやすく、社会生活をしていく上での不安は大きいと考えます。そのような中で生物学的製剤を導入した場合、年間120万円くらいはかかると言われており、患児本人たちの経済力では小児慢性特定疾患研究事業における医療費助成が切れてからの経済的負担があまりにも大きく、いつまでも親の支援に頼らなければならなかったり、必要な治療も中断せざるを得ない方も続出しております。医学の発展に逆行する社会にしないためにも、20歳を過ぎても必要な治療を安心して続けられる施策を盛り込んだ福祉制度改革が必要です。
 また、他科との連携及び成人病対策についてです。この疾患の特徴から、合併症や機能障害の訓練などを目的に、眼科や整形外科、リハビリテーション科、さらには婦人科と受診するケースも多いです。それぞれの診療科におけるJIAに関する理解と各々との連携は、治療薬が開発された今日も必要と考えます。
 成人期に併発する疾患も小児科医だけでは難しく、ほかの専門医との連携が必要と考えます。ある方は、病態が成人のRAに似ているため、大人のリウマチ専門医に転院された方もいます。また、ある方は、薬の微妙なさじ加減など基礎疾患であるリウマチの管理が難しく、小児科での診療を続けておられる方もおり、小児科にかかりながら一般内科も受診されています。成人期特有の疾患に関するメイン管理をどこに求めていくかは、現状では多様で、一本化する必要はないのかもしれませんが、ただ、昨今、「リウマチケア看護師」というポジションも創設されています。リウマチ患者を取り巻く諸問題の解決をコーディネートしてくれる機能を持ち合わせた専門家を各医療機関に置いていただくことを期待したいと思います。
 また、子どもたちの社会生活にあわせた診療時間確保についてです。さきに治療薬の開発により子どもたちのQOLがよくなったと述べましたが、それにより、高学歴を持ち社会に出ていく方も多くなったと言えます。したがって、治療しながら学校生活や就労もできるシステムがあるとよいと思います。生物学的製剤には、自宅で自己注射をする製剤もあれば、病院で点滴静脈注射しなければならない製剤もあります。しかし、その管理ができる医療機関は限られており、小児リウマチにおいてはリウマチ専門医のいる生物学的製剤に関する研修を積んだ医師たちのいる大学病院などが中心です。
 殊に公立大学の附属病院となると土日の診療は難しいですが、学校や就労をしながら通院できる土日や夜間の診療システムもあったらとてもありがたいと思います。
 最後に私たちのことになりますが、私の息子は来月で20歳になります。小慢の対象から外れ、成人へ移行することになります。2歳のときに発症しているので、この病気とのつき合いは随分長くなっています。発熱が続いたり、ステロイドの長期多量投与により骨が脆くなってしまったために骨折を繰り返したりなど、長期間の安静を強いられたことが度々ありました。しかし、生物学的製剤によりQOLは著しく向上しました。
 今では、車椅子など補助器具を使うことなく日常生活を送ることができ、現在は休薬できるまでになっています。しかし、20歳を過ぎたからといって病気が治ったわけではなく、今後も継続して治療を受ける必要があると考えております。経過観察の診察や検査は必要であり、いつまた治療が再開されるかもしれないということも常に心の準備を必要とします。
 先ほども申し上げましたように、小慢の対象から外れることにより、今までと同様の医療を受けるためには高額な医療費がかかることとなります。子どもの成長とともに親は高齢になり、収入もなくなります。現在大学生の息子は、少しでも家計の足しになればとアルバイトを探しておりますが、男子大学生向けの求人は肉体労働がほとんどのため、残念ながら、いまだ雇用には至っておりません。そのようなことからも、経済的負担により必要な治療を断念せざるを得ないケースも続出しているようです。子どもが20歳を過ぎた後も安心して日常生活を送るために必要な治療を受けられるような福祉制度改革を期待しております。
○原参考人 私も発言させてください。
 娘は来年1月で23歳になります。生物学的製剤を使用した治療をしております。20歳になったときに小慢対象外となることを含め、それまでに血液検査の結果は良好になったということで休薬をしましたが、本人の訴えは、数値はよくても痛みのないときはなく、不調は当たり前です。見た目にも健常の方と変わりません。就職し、健常の方にあわせて同じように働きましたが、症状が悪化いたしました。経口薬では体調を戻すことができませんでした。体調管理をしつつ働くということもしてみました。ですが、得られる収入は全て医療費にかかってしまい、生活はできません。自立することが困難です。
 今、どのようにしたらよいか試行錯誤しているところです。娘は治療費の自己負担が軽減されることを願っています。必要としている薬を安心して正しく使えるようになることを願っています。娘ではなく、もう一方、あすなろ会の会員さんで、同じ問題を抱えていらっしゃる方、悩みつつ治療し病気と向き合っている方がたくさんいらっしゃいまして、お一方、ブドウ膜炎で片方の視力を失った方もいらっしゃいます。両眼でなければ障害の認定はないということで、月1回の通院も、とても遠距離なので、前泊していらっしゃいます。とても大変です。
 小慢を小児に対応する研究事業と位置づけられているところを小児で発症した慢性疾患について、成人してからの実態をも研究の対象としていただけたらと思います。成人した娘の病気に御支援をお願いしたいと思っております。
本日はこのような機会を設けていただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
○五十嵐委員長 ありがとうございました。
それでは、御質問、御意見、いかがでしょうか。
 先ほどは、医療の集約化をぜひしてくださいというお話だったのに対して、今回は逆に、余り集約化されると医療機関に行くのが大変だという話も今出ているのですが、どうぞ。
○井田委員 今、五十嵐先生おっしゃったように、専門医制度の改革というのは今どんどん進んでいるのですね。例えばリウマチに関しては、恐らくそんなに多くの専門医はできないだろうと。したがって、どうなるかといいますと、今お話しした集約化と言いまして、ある大きなところに行かないと、あるレベルの医療、あるいは診断とか受けられないです。ですから、アクセスがいいほうがいいのか、もっとクオリティが、それは今の医療では相反するものですので、なかなか難しいのではないかと思います。要するにクオリティをとるのか、イージーアクセスといいますか。後で議論出ると思うのですけれども、診断がなかなかリウマチ性疾患は難しいと思うのですけれども、一般病院でなくて、今お話しした、指定病院ですか、そういう病院をある程度国のほうで指定して、そこに行ってきちんとした診断、あるいは治療を受けるほうがいいのか、どちらのほうが、プライオリティというのですか、それは究極の選択だと思うのですけれども、一般病院でやっていったほうが、集約化を進めていったほうがいいのか、患者さんの意見としてはどのような御意見があるのかというのをちょっとお伺いしたかったのです。
○原参考人 今、私はキャリーオーバーということで参加しておりますが、支援がないので遠距離がとても大変という意味で、たくさん専門医が身近なところにいたらいいなあという気持ちは確かにあります。ただ、本当に現実的な経済的負担と、自分たちの求める、少しでもゆとりのある生活というのが本当に難しいです。考えるのが難しいです。今の状況では難しいです。
○五十嵐委員長 どうぞ。
○佐地委員 東邦大学の佐地と申します。
 生物学的製剤とは、他の疾患で開発にかかわっていますので、お答えします。リウマチ学会からも申請が出ていますけれども、成人のリウマチ学会には大体6,000人位参加しますが、小児リウマチ学会は300人ぐらいしかいないので、会員数も入会数もふえてない。そういった領域で300人といいますと、東京で30人の会員、1区に1人しかいないということになります。そういう状況で、なおさらリウマチ患者は歩くのが大変なので、遠くに行くこと自体も大変ですし、呼吸器、循環器、腎臓、肝臓、肺、全身の合併症がありますので、通院も大変ですね。成人ですと、開業医で生物学的製剤を6週、8週に1回打っている場合もありますけれども、やはり他科との関連というのもあるものですから、この疾患はどうしても大きな病院に集約せざるを得ないのが現状ではないかと思います。
生物学的製剤はステロイドにとってかわるものです。子どもたちにはステロイドを使いたくないので、身長が145~150?でとまってしまいますので、開発はしたほうがいいのですけれども、世界的に見ても、欧米でも認可されていない状況です。もうちょっと待っていただければ、小児科のレベルでも生物学的製剤は、認可されるのではないかと。それにはやはり集約化と、臨床試験の安全性とか必要ですが、臨床試験ができない。そういった問題のほうが比重が重たいのではないかなと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございました。あとお一方どうぞ。
○小林委員 済みません。よく知らないので教えていただきたいのですが、この120万円かかるというのは実際に支払っている金額ということなのですね。保険がきかないからと、こういうことなのですね。保険はきいている?
○原参考人 はい。
○小林委員 ということは、後で高額医療費でまた戻ってくる。
○原参考人 ちょうどそこまでいかないのです。
○小林委員 これは大きいですね。ありがとうございました。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。いろんな状況がわかりましたので、大変参考になったと思います。
 それでは、これまで患者さんの団体の皆様からいただいた御意見も念頭に置きましてきょうの議論に入りたいと考えます。きょうは3つ論点があるのですが、関連の深い資料3と4を一緒に説明していただいた上でそれぞれの論点について議論するというふうにしたいと思います。
 では、資料3の「小児慢性特定疾患に関する医療体制等について」、事務局から説明をお願いいたします。
○山本課長補佐 では、資料3に基づきまして「小児慢性特定疾患に関する医療体制等について」御説明させていただきます。
 難病のほうでの医療体制につきましては、先日、11月15日に行われました難病対策委員会で議論されておりまして、そちらにつきましては資料4に基づきまして後ほど疾病対策課から御説明させていただきます。
 まず、1枚おめくりいただきまして、指定医療機関の在り方についてということが一つの論点になります。論点としましては、医療費助成の対象となる医療を提供する医療機関、いわゆる指定医療機関ですが、身近な医療機関で質の高い医療を提供する、その在り方についてどのように考えるかという論点があるかと思います。
 現状ですが、めくっていただきまして、現在、小慢につきましては、指定医療機関という基準というのはございませんで、委託する医療機関の留意点が示されています。都道府県が委託する医療機関を選定するに当たって留意することということで、「本事業の実施につき、十分な理解と熱意をもって対処する医療機関であること」「専門医師の設置、設備の状況等からいって、本事業の実施につき十分な能力を有する医療機関であること」というようなことが留意事項として書かれています。
 若干客観的ではないような、「十分な理解と熱意」という表現はありますが、現状は、患児が医療機関にアクセスしやすい仕組みになっています。一方で、委託不可の規定がないというようなこともありまして、医療の質を十分確保できているかという部分は議論になる部分かと思います。
 10の「対象医療の範囲」という部分ですが、この対象医療については「認定に係る対象疾患及び当該疾患に付随して発現する傷病に対する医療とする。したがって、これ以外のもの(いわゆる併発病等)については、本事業の対象とはならない」とされています。
 現在どのような医療機関が委託されているかというところですが、全国に病院、診療所を全部合わせまして10万8,152カ所ございますが、そのうち3万3,037カ所がこの委託する医療機関ということでされておりまして、病院についてはほぼ全ての病院が委託可能な医療機関となっております。
 5ページ目になりますが、「他制度の指定医療機関等に関する基準」という部分になります。小慢、難病、育成医療、結核、未熟児とお示ししております。育成医療から右側につきましては、義務的経費の公費負担医療になります。
 先ほど申しましたが、基準につきまして、小慢につきましては、「十分な理解と熱意」というような表現になっておりまして、特定疾患の治療研究事業のほうも、今のところは「特定疾患の治療研究を行うに適当と認めた医療機関」というような表現でございますが、義務的経費の指定医療機関につきましては、要件がもう少し具体的に、必要な器具とか、あるいは感染症であれば感染症の医療機関として適当と思われるような基準というものがあるようです。
 1枚おめくりいただきまして、指定医療機関の今後の在り方でございます。こういう状況を踏まえまして、小慢がより安定的な制度になるということを考えた場合に幾つか考えるべきことがありますが、1つは、成人移行の観点から、難病や成人の医療機関との連携というのはもちろん重要なことですが、身近な医療機関で適切な治療を受けることができるような仕組みというのが必要であろうということです。
 その際、指定医療機関についてはより具体的な育成医療に準じたような基準ということで指定医療機関に求められる事項として、下にお示ししていますが、「患者等の要望に応えて、各種医療・福祉制度の紹介や説明等が行え、指定難病医療機関(仮称)等の関係機関との連携を図るためのスタッフの配置など、必要な体制の整備を図ることができる」ということとか、「診断及び治療を行うに当たって、十分に医療スタッフ等の体制及び医療機器等の設備を有しており、適切な標榜科が示されている」というようなことが求められるのではないかと考えます。
 また、故意に対象疾患の治療と関係のない治療に関し医療費助成の請求を繰り返す等の行為を行う指定医療機関に対しては、ほかの義務的経費化であるような障害者自立支援法の医療機関のように、指定取り消しの権限を付与するというような方向が必要ではないかと考えます。
 めくっていただきまして、8ページ目になります。「小児慢性疾患の医療体制について」です。現在のところ、小慢について、医療体制というものは、指定医療機関、委託医療機関以外に基準として示しているものはございません。「地域の医療機関への情報発信や研修を行い、医療の質の向上を図ることが必要ではないか」「成人移行を見据え、難病や成人の医療機関や関係機関を含めた都道府県単位の医療連携体制が必要ではないか」ということが論点になるかと思います。
 現状です。1枚おめくりいただきまして10ページ目になります。小慢に関して、要綱上、医療体制というものは示されていませんが、医療法に基づいて都道府県が医療計画というものを立てることになっております。都道府県が作る小児の医療計画に関しては、医療体制構築の指針というものが医政局の指導課長通知などで示されているところです。
 その中で小児慢性疾患についてどのように記載されているかという部分ですけれども、まず、現状というところで、「小児慢性特定疾患を取り扱う医療機関については各都道府県において指定されている」とされています。
小児医療全体の目指すべき方向としましては、「当面、日本小児科学会が示している『我が国の小児医療提供体制の構想』及び『中核病院小児科・地域小児科センター登録事業』を参考に、全ての小児救急医療圏で常時診療できる体制を確保するとともに、一般の小児医療も視野に入れながら医療体制を構築していく」ということで、救急をまず確保しつつ一般の小児医療もちゃんと体制を構築していきましょうということが書かれています。
 具体的に2番の「各医療機能と連携」という部分で、(1)(2)(3)(4)、健康相談等の支援から、一般小児医療、地域小児医療センター、小児中核病院という階層構造のような形でそれぞれの医療機能と連携を図っていくということが具体的に示されています。
 ただ、この(1)(2)(3)(4)の階層構造ですけれども、注意書きにございますように、慢性疾患児等に関しては、やはりアクセスということや内科的治療がメインという状況からか、さきの階層構造の医療提供体制が必ずしも当てはまらない場合が想定されることから、「地域の実情に応じ、適宜、体制の確保を図ること」とされています。
なお、次の11ページですけれども、難病についても、医療計画に若干の記載がございます。医療計画の5疾病5事業、在宅医療以外の疾病についても、都道府県が医療計画を立てる中に、障害保健、結核、臓器移植と並ぶような形で難病対策というものが示されています。中身は、都道府県の取り組みを計画することと、相談先の連絡先をちゃんと都道府県で把握することが医療計画の中に書かれています。
難病については後ほど疾病対策課からまとめて御説明させていただきますが、小児がんについて、大きな動きがございますので、関係しますので御説明させていただきます。12ページになりますが、「小児がん医療・支援の提供体制について」、24年9月に検討会でまとまった報告書から抜粋しております。「小児がん患者とその家族が安心して適切な医療や支援を受けられるような環境の整備を目指し、全国の中核機関を中心として、平成24年度に地域ブロックごとに1~3カ所の小児がん拠点病院(全国10カ所程度)を整備する」というようなことが示されています。
この中で、中核病院というのは全国に1カ所ですけれども、そこに期待される役割としましては、小児がん医療・支援の施策に関する立案・提言とか小児がん登録の体制の整備というものでございます。一方で、地域ブロックごとに整備されることとなっています拠点病院につきましては、地域全体の小児がん診療の質の向上や、地域の臨床研究を主体的に推進すること、長期フォローアップの体制を整備すること等が役割として示されています。
13ページはその拠点病院の要件の具体例になります。
これらの状況を踏まえまして、14ページ目以降ですけれども、小慢の医療体制の今後の在り方としまして、15ページに事務局のイメージをお示ししています。まず、都道府県の小児専門医療につきましては、先ほど医療計画のほうでもある程度地域小児医療センターや小児中核病院等が担うことになっているという体制が、慢性疾患については明確に当てはまらない部分もあるという現状があります。また、現在、小慢の新規と継続の申請の医療機関を見ますと、多くはこのような地域小児医療センターや小児中核病院から、新規や継続の申請はこれらの病院からなされているという状況がございます。
ただ、ふだんのアクセスという部分では、いろんな医療機関にもかかったり、病診連携というような形で治療が行われている部分もあるかと思われます。そういう状況もございますので、地域の小児慢性特定疾患指定医療機関等に都道府県のこれらの小児専門医療機関が情報発信や研修を行い、地域の連携や医療の質の向上を図るということが必要ではないかと考えます。
また、子どもは今後成人移行ということもあります。また、学校との、関係機関との連携も必要ということがありますので、成人の医療機関、あと難病で考えているような新・難病医療拠点病院等の難病の関係機関との連携というのも、この小児の専門医療機関というのが都道府県単位である程度中核となって進めていくということが必要ではないかと考えます。
ただ、先天性代謝異常等の希少疾患に対しては、お話もありましたけれども、都道府県単位で必ずしも体制がつくれるかというと難しい部分もあるかと思いますので、それらに対しては必要に応じ、全国規模の診療支援や情報発信等を行うような機能が必要ではないかと考えております。
続きまして16ページ、「医療費助成の対象者の認定等について」という部分になります。論点としましては、医療費助成の対象者を、専門家が公平に審査する仕組みについてどのように考えるかということと、また、申請手続については、申請者の負担を軽減する観点から、より身近な機関でできるようにするべきではないかというような論点があるかと思います。
めくっていただきまして、18ページ、現状の御説明になります。現状の申請・認定の仕組みを図に示したものが18ページになります。申請される方は、ふだんは医療機関で受診しておりますが、医師意見書等や検査データ等を御家族の方が保健所または都道府県等に申請する。申請したところ、都道府県等に置かれております小児慢性特定疾患対策協議会で審査を行いまして、認定または却下を行うという仕組みになっております。
具体的に19ページになりますが、その申請の手続について、前回、がんの患者さんから申請の手続が大変という御意見もありましたけれども、要綱上は、「郵送によることも可能とし、郵送の際には、簡易書留等の配達されたことが証明できる方法とすることが望ましい」というような規定になっております。
幾つかの自治体に聞いてみましたところ、新規の際は制度の説明などもいろいろ行うということもございますが、継続については郵送という形で行っている自治体もあるというようなことでございました。
また、受診券の交付については、5番の部分になりますが、「有効期間の始期は交付申請日の受理日とし、終期は原則として受理日から1年以内とする」ということになっております。先日、これもがんの患者さんだったかと思いますが、審査中は医療費の支給がないというようなお話もありましたが、基本的に審査中であれば申請受理後ですので、審査中につきましては医療費が遡及されるということになっております。
小児慢性特定疾患対策協議会はその認定と却下を行うところになりますが、どのような規定になっているか申しますと、「都道府県等は、本事業の適正かつ円滑な実施を図るため、医学の専門家等から構成される協議会を設置するものとする」というような形になっています。
また、「協議会の運営に当たり、それぞれ対象となる患者数等を勘案して必要な専門家等の確保に努めるとする。また、複数の都道府県等が合同して協議会を設置しても差し支えない」というような形になっております。
20ページですが、認定・審査に関する患者団体からの先日いただいた御意見の部分です。心臓病の子どもを守る会からは、認定に地域間格差が発生しないよう適切な指導を行ってほしいというような御意見とか、がんの子どもを守る会からは、診断されてすぐの大変な混乱の中、父親や祖父母等親族が手続に動くようになるので、細やかな配慮が必要。できれば入院している病院でも申請手続ができるようにしてほしいというような御意見がございました。
小児慢性特定疾患対策協議会の現状ですけれども、これは全国の実施自治体にアンケートを行った結果になります。協議会の委員の人数ですが、各自治体によって大きくばらつきがありまして、2~18人というばらつきです。平均は5.81人でした。実際、委員になっていらっしゃる方ですけれども、学識経験者というような方、あと医師会からの推薦という方が入っていらっしゃることが多い。
専門とする分野を、右側にグラフでお示ししていますが、一番多いのが41%で小児科等ということで、小児科全般の御専門という形と、疾患の多い内分泌は13%の方が委員になっていらっしゃるというような状況でした。
めくっていただきまして、「医療費助成の対象者の認定等の今後の在り方」ですけれども、まず、代謝異常など専門医師が少ない分野について、毎回認定審査会の委員になっているというのはなかなか難しいという部分もあるいはあるかと思いますので、専門医師の少ない分野については、都道府県の小児専門医療機関がある程度必要なときに助言をしたり、必要なときのみの非常勤で委員になるなどの形でそういう専門医療機関と連携して適切な認定審査を確保する仕組みを検討する必要があるのではないかということ。
また、新規の認定審査については、診断書だけでなく画像フィルムや検査結果のコピー等をもとに公正な審査を行えるようにするべきではないかということ。
あと、現行の郵送による申請手続の活用のほか、身近な窓口を設けるなど、申請者の手続負担の軽減についてもう少し検討する必要があるのではないかというようなことが今後の在り方として考えられるかと思います。
ちょっと早足になりましたが、以上になります。
○五十嵐委員長 ありがとうございました。
では続きまして、資料4を出していただきまして、難病対策委員会での検討状況について御説明をお願いいたします。
○山本疾病対策課長 疾病対策課です。資料4について御説明させていただきます。
 1枚おめくりいただきまして、「効果的な治療方法の開発と医療の質の向上、医療費助成の認定について」という資料になっております。
 経緯を申しますと、主として大人の難病につきましては、ずっと議論を重ねてきまして、この夏の8月16日に中間報告をいただいております。その中間報告を受けまして、行政の担当課のほうでそれを具体化することを詰めております。難病につきましては、小慢とまた違いまして、法的根拠を持たない研究費による医療費助成を行ってきましたが、その矛盾が大きくなってきたため、新しい法制化も視野に入れた制度化を議論しております。
 その中で、やるべき柱として3つ掲げました。1つは、効果的な治療法の開発と医療の質の向上ということ。もう一つは医療費助成をきちっとしていくこと。最後の3つ目が、患者さんの社会参加の推進ということで、就労、就学ですとかさまざまな福祉サービスの充実の3つを掲げておりまして、そのうちの2つに関係するところがこの15日の資料ということになります。
 お手元の1ページに書いてあります。そういった意味で、1から6まで、研究とデータの問題、あるいは医療体制の問題、患者の認定の問題など6つ掲げております。それは、新しい難病の制度で、比較的まれな疾患の患者さんに医療保険に上乗せして医療費助成をしていく理由は何なのかという議論が随分委員会でございました。その中での結論は、患者が比較的少ない疾患については、全国的に症例をきちっと集めて治療法を開発するとしないと、まれな疾患については実際に治療法が開発されないということで、研究を推進する必要性というのを、患者さんの協力を得て全国的な研究の推進というのが一つ。
 もう一つの理由が、そうはいってもなかなか治療法が開発されない中で長期間療養を続けられる患者さんの経済負担が非常に重たいため。これに対して社会的に支援すべきではないかということ。すなわち、研究の推進と福祉の向上という2つの理由が相まって、難病の患者への医療費助成をすべきと委員会で整理されました。そういった意味で、研究と医療費助成が表裏一体となって議論しているものですから、このような資料になっております。お手元の資料、現状は、現在の研究費でございます。
めくっていただきまして、パワーポイントの2ページですけれども、今、難病の研究費は全体で100億ございます。その中で、疾患ごとの研究、あるいは疾患をまたがった研究、あるいは遺伝子解析の研究というのを行っておりますが、特に研究については、治療法の開発が究極の目的ですけれども、そこが十分でないのではないかということで、次の4、5でございますが、「今後の対応」として、現在の研究について、抜本的に構造を見直して、個別の疾患、領域別基盤研究分野と言っていますけれども、診断基準も確立してないような疾患については、その個別の疾患の疾患概念を確立する研究をやること。そしてまた、例えば消化器系疾患、内分泌性疾患というような疾患のように、領域ごとに横断的にやる研究分野、そして実用化研究ということで、まさに創薬に結びつくシーズについては重点的に研究を進めることとしています。
 なお、パワーポイントの4に「中間報告(抜粋)」ということで、先ほど申し上げました8月16日に難病対策委員会でまとめた中間報告の該当部分の抜粋を書いてございます。
次めくっていただきまして、「今後の対応」ということですけれども、今申し上げました研究の構造を変えるということ以外に、その研究成果の患者への還元、あるいは創薬への支援、そして、小児の難病の研究の継続が書かれています。
 7ページ、(参考1)はその構造ですので、後でごらんになっていただければと思いますし、そのほか、難病についてはオーファンドラッグの指定制度がございましたり、それからまた、平成24年から始まっております「医療イノベーション5カ年戦略」でも創薬支援と難病は位置づけられております。
 急ぎ足で恐縮ですが、めくっていただきまして、パワーポイントの11番です。「国際協力の推進」というのも非常に重要な分野だと思っています。特に希少な難病、あるいは数が比較的少ない患者ですので、我が国だけではなかなか研究が進まないということについて国際協力していくということを考えておりますし、この後言及させていただきますが、患者さんのデータベースについては、EUですとかアメリカのデータベースとの協調性というのも検討し連動していくことを考えております。
 次の12、13ページですが、先ほど申しましたような医療費助成を行う理由ということもありますので、まさに集める患者さんのデータは非常に精度が高いきちっとしたものでないと研究に使えないという反省がございます。そのために、今は実はデータが必ずしも十分でなくて、入力率も低く、実際に研究に使えてないではないかという問題提起がございました。
そのため、めくっていただきまして14、15ページに、「今後の対応」としまして、1つは、患者データの精度を向上させるということ、そして、この患者データを幅広く活用していくという大きな柱を掲げております。そのため、この後また言及させていただきますが、入力率を向上させ、きちっとした患者データを登録するために、難病指定医(仮称)という、専門性の高い医師に年に1度は診ていただいて、データをきちっととる。それをその医療機関で入力してもらうということでデータの精度を上げていくことを考えております。
 また、この委員会に関係することとしまして、20歳でデータが途切れてしまっている小児慢性特定疾患治療研究事業のデータを、20歳以降は大人のほうにつながっていくように連動できるようなことが仕組めれば、予後がわかってくるということで、研究にも資するのではないかということが議論になろうかと思います。
 また、データの活用ですけれども、今データは難病の研究班にのみ限定して活用を認めているのですが、プライバシーの保護を十分に配慮しつつも、難病研究にかかわる研究機関、医療機関、あるいは製薬企業にも提供していくということを検討しております。
 また、国際、欧米の患者データとの連携ということについても、先ほど申し上げたとおりです。
18ページのようなイメージで、難病指定医(仮称)が患者さんを診察した時点でそのデータを登録していただき、そのデータは患者さんの医療費助成の認定審査にも使われるとともに、そのデータはセンター的なところで集中管理し、審査の上で幅広く難病研究に活用し、国民にその成果を公表していくということ。特にこのデータを使った方にはそれを求めるということですし、EU、米国との患者データの連携ということも考えていく。
 もう一つの柱として、まさに今日のテーマである「医療体制の整備」があります。難病の場合、非常にまれな疾患で、なかなか医療機関できちっと診断がつかないとか、あるいはどこの病院に行ったらいいのかわからないというようなことがありますので、それを改善すべきということで議論しております。
 21ページの「今後の対応」ですが、まず、多くの診療科が共同して、高い専門性と経験を持っている病院ということで、都道府県が3次医療圏ごと、県に原則1カ所以上の新・難病医療拠点病院(総合型)というのを整備しようということ。
 今まで、難病の分野では、特に人工呼吸器を必要とするような神経難病の方のベッド確保といいますか、入院先の確保という観点で主に拠点病院を整備してきました。ですが、その考え方を変えまして、高度専門性の高い医療機関を整備して育てていくという考え方です。
 その総合型についてはコーディネーターを配置することですとか、難病医療に関する情報の提供、あるいは研究の推進、連携の核となっていくことが書かれております。ただ、ここでは小児科の問題でしょうけれども、先ほど申し上げました神経難病等、特定の分野について特に専門性の高い医療機関というのもあろうかと思いますので、それは新・難病医療拠点病院(領域型)ということで、これも県の実情に応じて指定していく。また、そうはいいましても、ベッド確保、入院・療養施設の確保というのが必要になりますので、2次医療圏ごとに1カ所程度、難病医療地域基幹病院(仮称)を指定して、入院機関の確保をしていくということで、そこを中心に地域の中での医療・福祉の関係機関の連携をしていくという体制を考えております。
 めくっていただきまして22ページに、今お話を申し上げたところをイメージ図として書いておりますが、県全体として新・難病拠点病院があり、2次医療圏ごとに基幹病院があり、その中で訪問看護ステーション、あるいは地域の医療機関との連携が進むということです。
その下は現行との比較です。
 24、25と資料が続きますのは、3次医療圏に設置する新・難病医療拠点病院としては、主に特定機能病院を想定しております。主に大学病院等になると思いますが、そういう医療機関が今現在どういう役割を果たしているかとか、実際に特定機能病院にどのぐらい専門医がいるのかということで、実現可能性を議論するために資料がついております。
 ちょっと飛ばしていただきまして、29個目のパワーポイントになりますけれども、難病医療コーディネーター(仮称)という議論もしております。特に処遇困難な難しい難病患者さんの医療・福祉をどうしていくかということで、新・難病医療拠点病院にコーディネーターを配置し、特に県をまたがった支援、入院施設の確保ですとか在宅医療の確保ということをやっていくための整備というのも検討しております。
 飛ばしていただきまして、31ページです。「医療の質の向上」というもう一つの大きな柱でございます。ここでも、今、都道府県格差の問題等出ておりますけれども、きちっとした医療体制を整備するためにどうしていくかということで、大きな柱として、32ページの「今後の対応」をごらんいただければと思います。
 実は中間報告の中では、極めて難しい疾患について対応するためのオールジャパンのセンター、つまり、難病治療研究センター(仮称)みたいなことを考えてはどうかという議論がありました。ですが、議論した結果、やはり難病というのはさまざまな分野のいろんな先生が全国に分散している中で、1カ所、何か箱物を建てれば集約できるという問題ではないのではないかということで、ここに書いてあります難病医療支援ネットワーク(仮称)ということを考えております。
 これはナショナルセンター、あるいは私どもが持っています難病研究班の専門家、あるいは学会と連携して、専門家がウエブサイトでつながって、難しい疾患、あるいは困った症例、診断基準を外れた症例を集約し、助言・支援を行う。また、そういう症例が集まることで新しい診断基準が策定されるということにもつなげられるのではないかというイメージです。
 もう一つが、難病患者さんのデータの一元管理ということで、先ほど申しました全国の患者データについての集約ということが書いてあります。
 飛ばしまして、次の34ページに6「医療費助成の対象患者の認定の考え方」ということで、先ほど小慢のほうでも審査会の話等出ましたので、関連部分です。
現在、難病については、医療費助成を受けるための診断書はどの医師でもどの分野でも書けることになっております。その問題が、1つは、正確な患者データが蓄積できていないのではないかということもございますので、「今後の対応」、35ページですけれども、難病に対する専門的な識見を有する医師を難病指定医(仮称)と指定して、その医師が年に1度は診断してもらうことを考えております。
 その難病指定医とはどんなものかというのが36ページに書いてございまして、基本的には、難病医療に関して専門性を有する医師であること。専門性を有することをどうやって判断するかということですけれども、1つは、専門学会に所属し、専門医を取得していること。もう一つは、一定の研修を修了した医師ということで、医師会の委員のほうからもさまざまな研修があり得るのではないかという御意見をいただき、このようにまとめています。
 ただし、もちろん例外はございまして、例えば離島、僻地、山村部、あるいは、現在、別の病院で入院中である、あるいは神経難病等で人工呼吸器をつけていて在宅医療をしている患者さんが必ずしも毎年専門医に行けないということもありますので、例外はもちろん考えられるということで、都道府県ごとの専門医の分布等もその資料に書いています。
 駆け足で、39ページですけれども、難病認定審査会、これは先ほど山本補佐のほうからもお話がありましたのと非常に似ておりまして、各県で設置する審査会において審査を行うということで、もちろん、診断書を書くのは難病指定医という専門性を持った医師ですけれども、ダブルチェックといいますか、あわせまして県の審査会でも審査するということです。
 医療受給者証という制度、それから43ページに、小慢と違った制度として、実は長期の療養になりますので、重症患者が軽症化したときに、登録者証というのを交付しておくことで、また重症化したときにはスムーズに手続が受けられるようにと。というのは、難病は症状がよいときがあったり悪かったりというのを繰り返すことが多いものですから、そういう制度をつくってはどうかというような議論をしております。
 指定難病医療機関ですけれども、45ページです。先ほど言いました拠点病院というのは、難病患者、拠点病院にかからなければならないという制度ではなくて、どうしても診断に困ったり専門性高いところにかかる必要があるときに、難病医療拠点病院を整備しておこうという考え方ですけれども、難病の医療費助成を受ける場合には指定難病医療機関にかかっていただくということで、指定医療機関について、ここでかかったものについて医療費助成を行うということ。この指定難病医療機関というのは、日常的な診療はかかりつけ医や地域のクリニック等も含めますので、幅広く指定していくということです。
 最後に47ページに書いてありますけれども、医療費助成の範囲については、今の小慢の御説明とほぼ同じです。医療費助成の範囲というのは対象疾患及びそれに付随する傷病のみということですし、実際に請求のルール等の明確化。今でも、公費助成のものとそうでないものについては分けるようになっていますけれども、そこをきちっとしていくことを徹底するということ。
その後ろのほうは患者の意見交換会の資料等ですので、割愛させていただきます。
 難病委員会も、医療費助成の在り方、あるいは医療体制の整備についてはおおむね今申し上げたようなことで意見がまとまりつつあるという状況です。
 以上です。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、これから3つ、きょうは御意見をいただきたいと思うのですが、まず論点の1つ目の小児慢性疾患の指定医療機関の在り方についてどういう御意見をいただくかということですけれども、資料3の2ページ、3ページですかね。
 どうぞ。
○山本課長補佐 ちょっと補足させていただきます。難病の議論が今回幅広い説明をいただきましたけれども、小慢の登録管理の課題や登録管理を誰がどこでするかというようなお話については次回の検討課題です。本日はお示しした3つの論点について御議論いただきたいと思っております。
 1つ目の論点につきましては、資料3の2ページ目にございます「指定医療機関の在り方について」というところになります。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。いかがでしょうか。
先ほどは指定難病医療機関という言葉が難病のほうでは出てきたわけですけれども、小慢に関しては小児慢性疾患指定医療機関となるのでしょうか。このあるべき姿について御意見をいただきたいと思います。
○小林委員 さっきいただいた資料をずっと拝見していまして、例えば指定医療機関のことに関係してくるのですけれども、「小児がん拠点病院の要件の概要」というところに、造血器腫瘍年間10例程度以上とか固形腫瘍年間10例程度以上ということがあります。これは年間に患者さんを10人診ているということなのですけれども、つまり、患者さんを年間に10人診れば、要するにもう専門医療機関として高度な医療ができると考えられるということなのでしょうか。
○山本課長補佐 これは小児がんの拠点病院の要件ということかと思います。
○小林委員 例えば難病や小児慢性疾患の拠点医療機関というか、専門医療機関をつくっていく場合に、一体その専門医療機関というのは、ある疾患、分野でもあると思うのですけれども、一体どのぐらいの患者を診ているのが専門医療機関という尺度になるのか教えていただきたい。
○山本疾病対策課長 五十嵐先生がおられるので、私が話していいのかどうかと思いますが、今まず最初におっしゃった小児がんの拠点病院は、多分13ページの資料をごらんになったと思うのですけれども、「当面の間、拠点病院を全国10カ所程度整備する」ということになっています。これは健康局の別の課でございますけれども、小児がんについては、どちらかというと集約化して精度を上げていこうという議論を今していると承知しております。
では、一般的に難病の分野で症例何例あったら専門なのかと。なかなか難しいと思います。というのは、そもそも10例ぐらいしかないような病気もあるわけですし、なかなか簡単ではないので、大人のほうの難病では、その専門性をはかることについて、学会による専門医制度等も考え、あるいは、複数の科でまたがった総合的な診断ができるというようなことも加味して考えていく。また、現行の特定機能病院では難病も含めて幅広く診療を行い、また人を育てていることも考慮に入れ、難病医療拠点病院というのを議論しています。
○五十嵐委員長 よろしいですか。
○小林委員 何だかよくわからない。
○五十嵐委員長 どうぞ。
○山本課長補佐 事務局の資料につきましては、通常の診療について、現在もほとんど全ての病院が指定されているので、今かかっている患者さんがかかれなくなってしまうというようなことはやはりよろしくないのだろうという趣旨です。ただ、診療の論点の2の部分を、今、小林さんおっしゃっているのだと思いますが、医療の質の向上という観点から、現在も申請の新規や継続の申請の多くは小児の専門医療機関というようなところ、小児の中核病院とか地域小児医療センターに通っていらっしゃる方も多いのですが、そういうところ全体の質の向上というお話もあるかと思いますし、かつ、地域全体の医療の質の向上と連携を図っていくという視点も重要です。ただ、小児の患者さんの場合、やはりアクセスも必要ですし、かつ、専門性の向上という部分も必要です。小慢は、いろんな疾患群が入っていますので、小児がんのように、がんだけを考えているわけではないという状況でありますので、必要があれば全国的な支援などの体制も考えるというちょっと緩やかな体制をお示ししたということです。
○五十嵐委員長 どうぞ。
○大澤委員 先ほど山本課長からも御説明がございましたけれども、難病や小児慢性疾患でも非常にまれな病気というのがあって、例えばうちの小児科でも、ある病気に関しては実際その診断がついた患者さんは2人とか3人とか、以内とか、そういう現状もある。しかしながら、似たような症状や類縁疾患の方はまたたくさん拝見しているというような中で、そういう患者さんをトータルに攻めていくというか、トータルに拝見して、そしてケアをしていく、そういう力のあるという観点で考えれば、症例数に必ずしもこだわらなくてもよいのではないかと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。どうぞ、井田先生。
○井田委員 まず初めの小林さんの今のコメントですが、今お話出ました症例数ではないので、それは、今、日本専門医制度機構のほうが専門医に関する改革をしているのですね。先ほど難病対策課の方が示された、公告可能な専門医というのは、外形基準という形で、要するに、実は中身は全然問うていないのです。医師の質は。要するに、学会の基準とか何年あればいいということだけで、その知識等は問うてないので、それを近々にどんどん改革していって、きちんとした研修プログラムをパスする、あるいはテストをきちんとパスする、そういうものがきちんとした専門医としてこれから誕生していくので、その人たちに関しては、その道の医療に関しては非常にスペシャリティがあるので診ていけるということになると思います。ですから、公告可能な専門医とこれからの専門医の質は少し違ってきますので、ここの専門医のいわゆる定義は少し変えていったほうが、難病のほうも変えていったほうがいいのかなとはちょっと思っています。
それから、指定機関の指定についてのことですけれども、私の意見はポジティブ、前向きに進めていったほうがいいのではないかという意見です。それの理由は、1つ、私どものところに毎年、数多くの患者実態調査、佐地先生も恐らくいっぱい封書が来られる、大澤先生もいっぱい来られると思う。したがって、これは何を意味しているかといいますと、こういう小児慢性特定疾患にかかわるような難病、そういうものの実態は全然把握されていないということを意味しているのだと思っています。
それが今の研究事業の一環になっているのですけれども、したがって、実態調査が、実態がわからなければ、それは予算的な対抗ですね。例えば財務省の説明とかもできませんので、それはきちんと実態を調査しなければいけない。それは回収率が4割とか5割とか、多分少ないと思うのですね。研究をやっても。ですから、全然実態を反映していない。指定機関さえ。山本先生に怒られてしまうかもしれない。あと、登録システムと関連するのですけれども、きちんと指定機関さえしっかりしていれば、患者さんの実態把握が容易になるのではないかというのが僕の、特に代謝異常症なんかはそういう意見ですね。
それから、先ほど問題になっています、リウマチの方がおっしゃっていましたけれども、診断、あるいは治療の適切性が、指定疾患の機関に行けば、ある程度というか、レベルはあるので、診断が正しい、あるいは今行われている治療が適正かどうかというのも一応チェックはできるのではないかと私は思うのですね。
ただ、毎月毎月そこに行かれるというのはちょっと大変ですので、さっき難病のほうから出ていましたように、1年に1遍でもいいので、その指定機関に受診して、どのような状況かをその先生に診ていただいて、本当に診断が正しいのか、あるいは治療が今うまくいっていのか、どのようなQOL、今、日常生活でどんな状況なのか、やはりつかめると思うのですね。それを厚労省に上げるか、システムはどうでもあれですけれども、上げると、登録制とリンクして、研究の推進という意味でも非常に円滑にいくのではないかなと思うのです。
ただ、この登録システムに関しては、例えば私は代謝異常症のところをやって、実はすごく大変なのです。ですから、さっき難病のコーディネーターがちょっと出ていましたけれども、それなりに対応を考えて、多分、成育なんかもどんどん患者さんが行って、医者が一つ一つ患者さんにいろいろデータを打ち込んでいると物すごい大変なのです。なので、それを何かお考えいただきたいというのが実務的な私の要望なのです。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。ほかに。
○安達委員 明星大学の安達です。
4ページの実施方法、医療機関の(1)のところで、基本的に、ちょっと質問になるかと思いますけれども、「十分な理解と熱意をもって対処する医療機関であること」、この熱意ということの、どんなスケールで判断するのかちょっとわからないので教えていただければと思います。
○五十嵐委員長 どうですか。
○山本課長補佐 これは、古い要綱の規定ですが、都道府県では、現状、医師会等と相談して委託する先を決めていることが多いようです。未熟児であるような保育器、酸素吸入装置があることとか、未熟児養育に習熟した医師がいることとかいうようなことの規定がほとんどないという状況ですので、7ページにございますように、十分な熱意と理解というのではない、もう少し都道府県でも判断できるような形にしたほうがいいのではないかという趣旨です。
○五十嵐委員長 どうぞ。
○小林委員 指定医療機関なのですけれども、小児慢性疾患の指定医療機関になるということは、今、11疾患群あるわけですけれども、それが全部対象という感じになってきますね。そうした場合に、専門性もかなりばらばらになっていることが1点あるのと、それから、患者団体では、いろいろ話していると、やはり拠点化という意見と、それからさっきも話ありましたけれども、身近な、行きやすいという両方の考え方がありますから、さっきのお話の中では、地域のクリニックだとか一次医療機関もそうした指定医療機関の対象となってくると、今度、地域の診療所が専門性というそこの要件でどれもこれもというぐあいにはなかなかいかなくなるかと思うのですけれども、その辺の兼ね合いはどのように考えていったらいいのでしょうか。
○五十嵐委員長 これは前から言われていることで、非常に特化したクリニックでも非常に高度の診療をやっているところは日本全国あるわけですね。ですから、今、御指摘のありましたように、一括で認めるのではなくて、疾患ごとに認めるとか、何かそのような手段もこれからは考えなければいけないのではないかと思います。
どうぞ。
○小幡委員 先ほどからのお話にあるように、患者さん、患児さんにとってアクセスは良いほうがよいというのは恐らくそのとおりだと思うのですが、他方で専門性の問題があって、現実にはそんなに津々浦々まで専門の方がいらっしゃらないというのが現状だと思いますので、その中で両方求めるというのはかなり難しいです。それから、ヒアリングを前回と今回受けましたけれども、小慢の中にも、さまざまなタイプの疾患があるので、もし非常に稀少なものであればますます専門性が強く、拠点化していかなければいけないということになりますので、恐らく一律の制度というのは、非常に難しいと思うのですが、先ほど井田先生からお話ございましたけれども、やはり医療機関のほうで連携して、患者さんにとってアクセスがしやすいところにかかりながら、結局、専門的なデータを収集するということはその疾患についての研究に資するということになりますので、そういうデータ収集もできるようにする、かつ、医療機関が連携して、例えば1年に1度とかいうことで専門性の高い医療機関を受診しつつ、日ごろは身近なところでにかかるということが、制度としてうまく回るようになるのが一番よいのではないかと思います。
 疾患によっては、そのような必要がないものもあるのかもしれないと思うのですが、一般的には、それをぜひ連携ということで考えていただきたいと思います。あと7ページですが。
○五十嵐委員長 これは次ですけれども、もういいですかね。両方つながっていますので、どうぞ。
○小幡委員 今後の在り方というところで、「熱意」というのは、法令的には通常使わない基準でございまして、どうしても恣意的に判断が難しいので、主観的ですので普通使わないのですけれども、気持ちは何かわかるような感じはいたします。
ただ、今後の在り方で、「指導、指定取り消しの権限を付与する」というような案もございますが、これは、せっかく医療機関が普通は熱意を持ってしっかりやってくださるのに少し気の毒なように聞こえるのですが、やはり公費で助成するという制度をしっかり進めていく、できるだけ裁量的でない形で助成制度を義務化して進めていくという方向になりますと、不正がないように権限を持つという制度を一応持っていることは必要ではないかと思います。本来、医療機関の方で、そのようなことはなされず、このような権限は抜かれないのが一番よろしいのでしょうけれども、やはり国民的視点から見て、公費をきちんと出していくときには、こういう制度も持っているということはやむを得ないのかなと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。
アクセスと、それから診断、あるいは診断する上で非常にしっかりとしたもののある医療機関が指定医療機関になるべきだということですけれども、何分、小児慢性特定疾患というのは非常に多岐にわたっておりますので、一概に外形的な基準、あるいは症例を何例だとかいうことも言えないということで、やはり臨機応変な対応が必要だということになりそうですが。
 どうぞ。
○坂上委員 先ほど、難病の場合、症例数の多い少ないだけで、専門性をはかれるものでないという点については理解しました。一方、小児の慢性疾患・難病は、多種多様ですので、全ての難病を知っている専門家というのは、とてもいるとは思えません。患者の身近に小児慢性疾患の指定医療機関があってほしいとは思いますが、あらゆる慢性疾患に対応できる医療機関を指定するのは現実的には無理だと思います。そこで、指定医療機関になる条件として、各分野の専門医師・医療機関と連携を取ることを求める必要があるように思います。1医療機関、1医師だけに任せてしまっていいのかなという疑問があります。
○五十嵐委員長 これはほかの委員の先生方も、連携という点では今まで以上に密接につくるべきだという御指摘をいただいておりますので、大変ありがとうございます。
どうぞ。
○及川委員 連携はとても大事だと思っていますし、7ページのところにスタッフの配置ということが書かれていますけれども、専門医だけではなくて、そういう医療・福祉に関して専門的にアドバイスができるコーディネーター的な役割を持つ方をきちんと配置するということもとても大事な条件になってくるかと思いますので、その点はぜひ入れていただきたいと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございました。大体全貌が見えてきたのではないかと思います。
 続きまして、小児慢性疾患の医療体制のほうで御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 最初にちょっと補足しておきますけれども、小児学会がつくった、15ページの真ん中にある都道府県小児専門医療機関という、四角の中に医療機関が2つありますが、左側にあるのが地域小児医療センターと書いてありますが、小児学会は地域小児科センターと今変えています。これは大体一つの地域の小児医療圏、例えば小児2次医療とか小児保健事業を一体として行っている地域のことを言いまして、そこに大体1つぐらいあるというイメージです。ですから、地域小児科センターというのは24時間体制で小児の2次医療を提供しているということで、これから調査するところなのですが、日本全国で400病院ぐらいかなあと今考えているところです。そういうイメージを持っていただきたいと思います。
 それから、右側にある小児中核病院というのはいわゆる大学病院と小児病院ですね。だから、100~110ぐらいのイメージではないかと思います。それをちょっと補足して、この議論を始めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○井田委員 今、五十嵐会長のほうからお話ありましたのは、小児のほうは多分これがだんだんシステムできつつあると思うのですけれども、今回話題になっていますトランジションに関して、例えば成育医療センターになりますと、20歳以上の患者さんはもう診ないということになっているのですか。トランジションはどのように成育は。小児は小児でいいのですけれども、今トランジションの患者さんがいるので、それをどのように。
○五十嵐委員長 現実には、疾患によってはずうっと診ております。
○井田委員 わかりました。うちなんかも代謝異常症の人をずうっと、僕の外来なんか、おじいちゃんとか、成人の人のほうが多いのですけれども、そのように、そこは指定機関かどうかわかりませんが、大きなところで小児から成人まで診ていくというスタイルにしていくということのほうが、成り行きとしてはそうなるのですかね。トランジションとしては。
○五十嵐委員長 きょうはトランジションそのものを議論する場ではないのですけれども、それは非常に重要な問題ですのでこれからまた議論したいと思いますが、いわゆる小児慢性疾患の医療をどのように、それはトランジションも入るわけですけれども、主に小児に限って言った場合にどういう医療体制で臨むのがいいか。先ほどから連携という言葉が出ておりますので、実際に疾患によっては、それから病気も、この小児慢性特定疾患というのは、例えば気管支喘息も入りますし、だから、集約化して、ある病院に行けと言われてもそういうわけにいかない、日ごろ、すぐ近くに発作のときには診てくれるような病院をわざわざ30キロも40キロも車飛ばして行くというわけにいかないわけですから、やはりいろんなバラエティがあって、それを想定しなければいけないということで、医療体制というのは一言で言うと難しいと思うのですが、そういう中で皆さんどういう意見がおありか、あるいは要望があるかということをちょっと御意見いただきたいのですが。
○益子委員 川崎市宮前保健所の益子です。
 15ページの医療体制のイメージですけれども、この小児慢性特定疾患の指定診療所等の小さな、医師が1人しかいないようなところは、多分、先生方は、呼吸器が専門とか、小児科学会だけでなくて、いろいろな専門家が入っていらっしゃると思うので、小慢は非常に幅広いですから、疾病をある程度限定して指定されたほうが患者さんにとっては非常にいいのではないかと思います。主治医として指定診療所の先生が診ていただいて、場合によっては病院のほうに紹介するというようなスタイルになるだろうと思うのですけれども、そういう場合にはぜひ、ある程度の、呼吸器なら呼吸器とか、循環器なら循環器の慢性疾患指定診療所というような形もあったほうがいいのではないかと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。どうぞ。
○及川委員 聖路加看護大学の及川です。
実際移行していく過程においては、患者さん自身が探していくというのはとても難しいことだと思うのですね。医療機関のほうから医療機関に対して紹介していただくという形がとても大事だと思うのですけれども、そうした場合に、この15ページの図を見ますと、連携・情報発信の矢印が、専門医療機関と成人の場合の成人の医療機関というのが拠点病院的なところになっているのですが、実際日常的にかかっているところは、その下の小児の特定疾患の医療機関であったり診療所であったりという場合が多いわけですね。そうしたときに、どのレベルでの成人の医療機関との連携になるかというところでの情報の集約であったり連携の仕方であったりというところをかなり具体的なレベルで患者さんに対しては情報提供していかないと難しいのではないかと思いますので、ぜひその点も含めて考えていただきたいと思います。
○五十嵐委員長 主にトランジションの患者さんのことですね。
○及川委員 はい。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。
○小林委員 そのトランジションのことですけれども、移行期ということで、これは五十嵐先生から、私、辞令をいただいて、小児科学会の中でこのワーキンググループができて、今その報告書をまとめているところなのですけれども、今お話しあったように、内科学会とか、そうしたことの連携をどうするかということになっています。
したがって、移行の問題は、及川先生御指摘のように、そこの中でもきちんと医療機関側が紹介するという方向の報告書がまとまっていくと思うのですけれども、私たちの経験の中では、実際にそういう医療機関同士の連携ってなかなか難しいですね。先生方も、もっとうまく連携とってほしいなと思っても、お医者さん同士の、どういうことかわかりませんけれども、そういうことが余り見られないので、自分でやりなさいというふうに、そういう報告は頻繁に聞くので、ぜひそういうところをお願いしたいと。
もう一点は、地域の中で暮らしていく関係機関との連携なのですけれども、前回のときも、その前のときも申し上げましたけれども、教育機関の、特別支援学級はかなり理解が進んできていると思うのですけれども、特に通常学級でのさまざまな、子どもたちがつらい思いしているとかいうことは頻繁に耳に入ってくるものですから、いかにしたら教育機関にこういう連携を呼びかけられるか、ぜひ知恵絞って何かできたらいいなと思います。
○五十嵐委員長 どうぞ。
○小幡委員 医療機関の連携は、難しいということでしたが、これが一番大事なことだと思いますので、ぜひ工夫をしていただきたいと思います。これは医療機関だけではなく、制度自身も、医療費助成をする仕組みも含めて考えていただきたいと思うのですが、私、きょう早く出なければいけないので、次の申請についてだけ、1点だけ申し上げておきたいと思います。
申請が、いろいろ書類をそろえなければいけなかったりとか、かなり大変であるということですが、医療機関のほうも大変なのでしょうが、患者さんも大変だと思うので、これを何とかやりやすいようにしていく、負担を軽減していくということはとても大事だと思うのです。そうすると、申請中はどうかと、先ほど患者さん団体のほうから、審査中でも、それはさかのぼって支給されるというお話があったと思うのですが、重症認定をされている場合の申請が、申請書を出すのにも結構時間かかったりすると考えますと、どこまでさかのぼれるかですが、申請というのがある以上は、結論出るまでは難しいと思うのですけれども、その結論が出た後、結果、重症になった時点に例えばさかのぼれっ支給されたりするような制度になればより負担が軽くなるのかとも思います。申請自身をできるだけやりやすくするというのはもちろんですが、その申請が最終的に認められたときに、どこまでさかのぼって支給されるかということも含めて、できるだけ患者さんの立場に立って制度をつくっていただければと思います。
○五十嵐委員長 ちょっと戻りました医療体制につきましては、そういうわけで、この15ページの図を参考にしながら、しかし、疾患によって、皆さん病気が違いますので一律にはなかなか言えないでしょうけれども、疾患ごとに小さな医療機関で診てもらいながら大きなところに行くとか、そのような医療機関同士の連携が必要だということと、もう一つは教育機関との連携も必要だという御指摘をいただきましたので、連携を今まで以上に図るということをこの委員会の御意見としていただきたいと思いました。
そのほかに、この医療体制について、先に何か、どうしても意見がございましたらどうぞ。
○大澤委員 女子医大の大澤でございます。
難病のほうとの関連ですけれども、小児慢性のほうはどちらかというと、考え方がまず小児の患者さんのケアをどう十分にしていくかというほうが先に立っていると思うのですけれども、難病のほうの御説明を先ほどいただきましたけれども、研究をどう進めるかということが原点になっていて、研究を進めるために、うまくいかないので、指定医をというところにどちらかというとなっていらっしゃるので、それも究極的には患者さんのためになることなので大事なことですけれども、そこの部分がやや、それで、何が言いたいかといいますと、難病の中には小児期発症の難病もかなりあるのですね。ですから、そこのあたりの患者さんの指定機関がどうなるのかというところは少し気になるところでございます。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。どうぞ。
○安達委員 明星大学の安達です。
この絵のところで「全国規模の支援」と書いてありますけれども、この全国規模への支援ってどんなイメージなのかというのをちょっと教えていただきたいと思います。いわゆる学会とか、厚労省のほうが都道府県小児専門医療機関全体通して底上げしていくようなことをイメージしているのか。当然、都道府県ごとのいわゆる格差というのも余りあってはいけないと思っておりますので、やはりある程度のレベルまでは底上げをしていかなくてはいけないと思っておりますので、それのところについて、教えていただければと思います。
○山本課長補佐 おっしゃるとおりだと思います。こちらのイメージとしましては、難病の資料の難病医療支援ネットワークの33ページのようなイメージでおります。特に希少な疾患ですね。もちろん、メジャーな疾患について、学会が喘息とか腎臓病についていろんなガイドライン、もう既に出されているところではありますけれども、マイナーな疾患についてもガイドライン等出していただいたり、関係の学会とか研究班、あとナショセンというようなところで全国規模に支援するような仕組みというのを検討したいというところです。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
それでは、最後の論点に移りたいと思います。医療費助成の対象者の認定等について、御意見をいただきたいと思います。
○益子委員 認定申請の窓口ですけれども、病院等という御意見もありました。保健所は都道府県設置が原則ですので、ちょっとアクセスが悪い場合には、行政機関として一番市民に身近な窓口は市町村ですので、市町村に申請の窓口を設けるというのも一つの手ではないかなと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。それは可能なのでしょうか。
○山本課長補佐 小慢の対応は、かなり専門的な内容になります。自立支援医療の育成医療は25年の4月から市町村に権限委譲されます。また、未熟児の養育医療も25年4月から市町村に権限委譲されます。限定された自立支援医療、未熟児医療についてもどこまで市町村が対応できるのかと言われていますが、難病とか小慢というのはいろんな疾患がありますので、市町村のほうも意見もあるかと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。ほかにどうぞ。
○小林委員 2つほどですけれども、まず1つ、窓口については、市町村とかそういうこともあるかもしれませんけれども、この後の医療体制も含めて、行政がどう患者さんにかかわるか。例えば保健所の保健師さんがという話もありましたけれども、そういう患者さんへどうかかわるかというそのかかわり方で窓口をどうしていくかというのも1つ考えていっていいのかなと思います。
2点目は、申請の際の意見書、あるいは診断書ですね。これが、いろいろ聞きますととても高額になっていて、昔はそんなに高くなかったと思うのですが、最近は本当に1万円近いところもあったりとかいう報告を聞いたりしますと、1万円なんていうと、小慢の月の自己負担最高額が5,750円ですから、ちょっとびっくりしてしまうわけですけれども、そういうのもちょっと考えていただけたらいいなという感じがします。
○五十嵐委員長 文書料というのは病院が決めるのでなかなか簡単にはいかないかもしれませんけれども、確かに最近一般に高くなってきているのは間違いないと思います。ほかに。
○坂上委員 対象者の認定にかかわる小児慢性特定疾患対策協議会、メンバーを見ますと相当人数が少ないので、これで本当にバラエティに富んだ全ての疾患の認定がちゃんとできるのかなと心配になります。例えば、先天性代謝異常症や、先天性の心臓病などの患者さんは日によってすごく体調が変わります。その日の状況だけをもって認定するかどうか決められては困ります。協議会の人数を増やすことは容易ではないと思いますので、少なくともそれぞれの専門分野でアドバイスを受けることができる医師を都道府県で決めておく必要があると思います。その点を明文化しておいてもらわないと、不安でたまらないという患者・家族はいらっしゃるのではないでしょうか。しっかりした認定体制づくりをしてもらいたいなと思います。
○五十嵐委員長 認定協議会を支援する体制をつくりなさいということですね。
どうぞ。
○小林委員 申請をしても却下されるような場合に、今、不服申し立てというのはできないのですね。小児慢性特定疾患の場合は。そういうのをもう一度考えていただいて、何かの方法でそういう不服申し立てができるような方法をとれば、また一つの救済策になるかなと。
○五十嵐委員長 不服申し立ての仕組みをつくってくださいということですね。ありがとうございます。
 どうぞ。
○井田委員 義務的な措置に移行するためには、3つ文書がありますけれども、「適正な」ということと「公正に」という言葉、この2つがキーワードだと思うのですね。坂上さんのほうから先ほどもお話ありましたけれども、小児慢性特定医療機関、非常にバラエティに富んでいるわけですね。それでメンバーが少ないと。ですから、今の協議会のこのシステムでいいのかどうかというのは非常にクエッションだと思うのですね。
例えば代謝異常症であれば、全然普通の、恐らくごらんになったことないと思うのです。それで、本当に適正なのか、本当にいいのかどうか考えなければいけないと思いますね。何かうまいシステムが、先ほど全国規模というのがありましたけれども、オーファンディズィーズに関しては少し規模を広げて、何か責任者みたいのを決めて、全国規模で少しやらなければ、診断というか、あとは継続も当然ありますので、適正に治療されている、あるいは現在のステーション、ちゃんと反映しているかどうかというのは、専門家の目は通しておいたほうがいいような気がするのですね。その地域だけではなくて。地域に一回上げていただいても、それは結構ですけれども、何らかの、公正なというか、そのシステムは必要なような気がします。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。先生おっしゃっているのは非常に正しいことだと私も思いますけれども、そのためには、まずオンライン化して、そして、誰かコーディネーターみたいな方がいて、そのしかるべき専門家の方にそういう情報を上げるようなシステムがあると非常にいいと思うのですけれども、現状ではそういうのはないので、ただ、御意見として大変貴重だと思います。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。
○及川委員 今のテーマ、とても大事だと思います。これは後の問題になると思うのですが、データベース化をきちんとするということが1つと、家族、申請者の負担をできるだけ低減するためには、やはり電子登録のような形のものもこれからは考えていっていただきたいと思うのです。そうすることで、ある程度一貫性のあるデータも出てくることも可能かと思いますので、病院での負担もまた一方では考えなければいけないのですけれども、むしろ診断書等書かれたものをそのまま電子登録できるような形にしていただけると、患者さんにとっても負担が少しでも軽減できるかなと思います。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。
 それでは、この認定の仕方につきましても改善の余地が幾つかあるかもしれませんので、貴重な御意見、どうもありがとうございました。
それでは、きょうの議論はこれにて終わりにしたいと思いますけれども、今後の予定につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○玉田課長補佐 委員の皆様、また患者団体の皆様、御出席いただきましてありがとうございました。
 次回でございますけれども、12月10日に開催させていただきまして、残された論点でございます研究の推進の部分、それから、手帳制度について御議論いただくとともに、次回の論点で小児慢性特定疾患対策全体の議論が一巡することになりますので、これまでの議論について一定の整理をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。
それでは、今日の専門委員会はこれにて閉会といたしたいと思います。御出席の皆様、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

雇用均等・児童家庭局母子保健課

福祉係: 03-5253-1111(7937)

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